こどもの頃に観る深夜番組は特別だった。
親に隠れて夜更かしして,こっそり観る映画は格別で,深夜0:00頃からはじまる映画を2時,3時まで観ては,新たな知識を得た高揚感で大人の階段を一つ登るのである。
そんな思い出と一緒にふと思い出される「メンフィスベル」
中学のころにその映画を観て,当時タイトルまでおさえられなかったのだけれど,大学生のころだったかな,同じく深夜に放送されているときに「これだ!」となってタイトルを書き留めた。
今一度検索してみると,1944年版と1990年版があると知った。
わたしが見たのは1990年版。
たいへん優秀な空軍の若者チームが,徴兵最後のミッションであるにも関わらず過酷な戦地へ参戦する物語。
この映画が頭に残っている理由の一つに,劇中で引用されていた以下の詩がある。字幕で記された一つ一つの言葉が当時のわたしにはとても響いた。
僕はいずれあの雲の上でで死ぬだろう
敵が憎いのではなく、味方を愛するでもない
義務で戦うのではない 国のためでもない
わき上がる衝動が、僕を上空の戦に駆り立てる
すべてを思い起こし考えてみた
明日に何の意味があろう 昨日の事も無意味だ
今、この生死に比べれば
I know that I shall meet my fate
Somewhere among the clouds above;
Those that I fight, I do not hate,
Those that I guard I do not love;
My country is Kiltartan Cross,
My countrymen Kiltartan’s poor,
No likely end could bring them loss
Or leave them happier than before.
Nor law, nor duty bade me fight,
Nor public men, nor cheering crowds,
A lonely impulse of delight
Drove to this tumult in the clouds;
I balanced all, brought all to mind,
The years to come seemed waste of breath,
A waste of breath the years behind
In balance with this life, this death.
An Irish Airman Foresees His Death by W.B.Yeats,1865 – 1939
好きな映画のひとつである。