意外性、危険性、夜行性やらなんやかと。○○性。
性で終わる言葉ってたくさんある。
興味があれば、ここでコツコツひとつひとつ眺めてみてください。
10×65ページで650個ほど並んでいるので。
ここには載っていないのだけれど、好き、というかとても気になってしばしば頭に浮かんでくる性がいくつかあって、今日はその一つの話。
射幸性
偶然の成功や利益を狙う度合い。 簡単に言えばギャンブル性。
引用:https://www.weblio.jp/content/%E5%B0%84%E5%B9%B8%E6%80%A7
射幸性が高いだとか、射幸性を煽るだとかって使われ方でよく目にします。
2000年代前半だったか中盤だったかに大規模なパチスロ規制がありまして。
射幸性の高い機種はだめですー!禁止ーみたいなニュースを見た時にこの言葉を知ったんだったと記憶してます。もしかするともっと前だったかもしれないけれど、いずれにせよ、ばっちり印象に残ったのはこの出来事がきっかけ。
ちなみに規制の根拠となる法律の条文はこれ。
昭和二十三年法律第百二十二号
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律
(遊技機の規制及び認定等)
第二十条 第四条第四項に規定する営業を営む風俗営業者は、その営業所に、著しく客の射幸心をそそるおそれがあるものとして同項の国家公安委員会規則で定める基準に該当する遊技機を設置してその営業を営んではならない。
著しく客の射幸心をそそるおそれがある遊技機はだめよって言うてますね。
じゃあ、著しくってどんくらい?
ってはなしでして、それが、国家公安委員会規則で定める基準で定められているって立て付けです。
引用すると長くなるんで、興味のある方はリンク先にて。
法律そのものは昭和二十三年からあるので、おそらく、2000年代に国家公安委員会規則で定める基準ってのが厳しくなったのかな。
そんなにパチンコ・パチスロをやるタイプでもなかったので、当時はなんとなく「ああ、ギャンブル性の高い機種はだめになったんだー」くらいに捉えていまして、何が、どのような根拠で、どのようなルールで規制されたのかまでは捉えてきれておらず、記憶もなく。詳しい人がいらっしゃったら教えてください。
ちょっとややこしいですね。
簡単に言うと
こういうかわいいのはOK
「1回10円のゲームで、1/3の確率で20円貰えるゲーム」
こういうのはNG
「1回5万円のゲームで、1/100の確率で50万円貰えるゲーム」
で、NGの基準が時代によって変わるよー、と。
昔は1日パチスロやって、20万円位負けたり20万円くらい勝てたけれど、今はせいぜい数万円だーとか。そういう話。
なんで規制しないといけないかというと、射幸性が高すぎると、ギャンブルに依存する人が増えて社会に悪影響があるからですね。
5万円負けても50万円勝てば取り返せる!
「運が良ければ負けを取り返せるかも」みたいな感じだと、はまる人が多くて世の中的に大変だってことですね。
こういうのを射幸性が高い、ギャンブル性が高いって言います。
ギャンブルそのものに依存性が高いわけではなく、射幸性の高いギャンブルに依存性がひそんどる訳です。
いいですね、こういう言葉の切り分け。
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人を依存させるためには、この射幸性の高さってのも一つポイントとなりますが、ランダム性ってのもよくあがります。
決まったタイミングで当たるとか、決まったタイミングで外れるとかよりも、当たったり、当たらなかったり、たまに大勝けしたり、大負けしたり。そういうのがはまる要因になるのだとか。
SNSにせよ、ソシャゲにせよ、はまり要素を研究している人ってのはこのランダム性を研究し、研究し、研究し尽くしています。
ユーザーに、適切なタイミングで適切な量のご褒美を提供し、どんどんはまらせると。
研究ってどうするの?
テストするんです。
「スキ」されましたと「フォロー」されましたってアナウンスを同時にする方がクリックされる率が高いのか、分けた方が高いのか。
1時間に一回通知する方が再アクセスが高いか、3時間に1回の方が高いかとか。
1000円でレアアイテムを出した方がさらなる課金が増えるのか、3000円でレアアイテムを出した方がいいのか。
1回課金した人の再課金率と3回課金した人の再課金率の違いとか。じゃあ、ウェルカムボックスはどれだけお得にしてもとにかく買わせることを目的にしよう、とかとか。
テストして、テストして、テストして、一番いいタイミングを探りまくってシステムを調整する。
ランダムと見せかけた練りに練られたタイミングで我々を虜にさせようとしている訳ですね。
著しく射幸心を煽っとるわけです。
SNSにせよ、ソシャゲにせよスマホ全般。
ギャンブルじゃないので規制は薄いことが、ここ10年くらいパチスロ規制とと同じくらい注目されているよくある問題意識。
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スマホ脳も読んでないけどその辺に触れているはず。
広告でも雑誌でも何でもいいんですけども「正しい、正しくないじゃなくて、もっと好き、嫌いの自然体で行動してもいいかも」的な口触りのいい話をしばしば目にするのってなぜだかわかりますかね。
論理的に考えない人の行動ってコントロールしやすいからなんです。
あなたの「好き、嫌い」は、めちゃめちゃ論理的に考えた世の中の人によってもうすでにコントロールされているかもよってことですね。
そういう美辞麗句におどって、感覚やら自然体で行動する人が増えれば増えるほど、論理的に考えている人の手のひらに乗っかる人が多くなるってね。くわばら事案ですよ、ほんと。
自然体であることは大賛成ですが、しっかり考えることを放棄するのはちょっとまずいということです。