有利な「色弱」

「ちょっと見えにくい色があるようなので,色弱かもね。軽度だし気にする必要ないけれどー」
なんて学生時代の視力検査時に言われて,その言葉を長らく気にしていた。その後に多様な検査をちょこちょこ試してみると特にそのような兆候は見受けられなかったので,ほんとに気にする必要のない程度なのだとは思う。
色覚のタイプ。
緑と赤の見分けが弱いタイプが多いらしく,中には黄と青の見分けが弱いタイプもいるのだとか。

その後Webサイト制作に関する仕事をするようになり,色弱の方へ配慮したカラーデザインがあることを知った。例えばこういうガイドラインがあったりする(東京都)。

先日見た記事がとても興味深かったので,ふと上記の色覚検査のワンシーンを思い出していた。

第6回 「正常色覚」が本当に有利なのか

2色型は、明暗を使ってものの輪郭を見分ける明度視に秀でている、と。それは、霊長類の赤・緑の色覚が実はものの輪郭を見るための神経回路をそのまま流用しており、輪郭を見る能力を犠牲にしているからという説明だ。

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/16/012700001/020500007/?P=4

色覚のタイプによって避けやすい危機があり,それが優位に働く場合があると。
「色”弱”」という弱いという言葉の印象から,図らずも劣ったイメージのあった事象だけれど,淘汰され行く遺伝子情報の中でむしろ積極的に残ってきた特性の一つである可能性に触れて,また一つ考え方の視点が増えた思いがした。