「人間到る処青山あり」じんかんいたるところせいざんあり

奥田英朗が好きでよく読む。

「いままで読んだ中で一番好きな小説ってなに?」

10年近く前,知人に質問したときに返って来たのが奥田英朗の「最悪」「邪魔」「無理」だった。確か「最悪」読んだのだったかな。その後,ちょこちょこつまみ食いしていて,ざっとwikipediaで作品を確認してみると8割方の作品は読んでいた。

平凡であたたかな葛藤から,うだつの上がらない人々の逡巡,こだわりの強さと行動の奇怪さ。
難しい言いまわしは使わずに。どの作品も色があって,よくありそうでなかなか気づいていない人の機微がとても面白い。

「人間到る処青山あり」

は「家日和」という作品で出てきたことわざ。

「人間」は、人の住む世界・世の中という意味で、「じんかん」とも読む。
「青山」は、死んで骨を埋める地・墓地のこと。
幕末の僧、釈月性の詩「男児志を立てて郷関を出ず、学若し成る無くんば復還らず、骨を埋むる何ぞ墳墓の地を期せん、人間到る処青山あり」から。

引用:http://kotowaza-allguide.com/ni/ningenitarutokoroseizan.html

「にんげん,いたるところあおやまあり」だと,目上の人が思いっきり間違って辟易する若者のシーンで使われていた。若者は,黙って指摘もしなかった。