「浅き夢見し」酔いもせず

「浅き夢見し」

そう聞くと漫画や小説,ドラマのタイトルかな,歌詞かなと浮かぶ人,いろは歌が浮かぶ人。それ以外にもいるかな。

いろはにほへとー,ちり,ぬすっとー
をわかよ,たんてー

って遊びを通じて意図せずいろはが見についた幼少期。

いろはにほへと ちりぬるを わがよだれぞ つねならむ
ういのおくやま けふこえて あさきゆめみし えいもせず

いろは歌というものがあって,50音で一つの歌がつくられているんだという事を認識した,小学生だったか,中学生だったか。

その後,高校だったかな…。浪人中だったかな…。
そのいろは歌の意味を知り,その美しさに触れた。

色は匂へど 散りぬるを
我が世たれぞ 常ならむ
有為の奥山 今日越えて
浅き夢見し 酔ひもせず

どんなに美しい花でもいつかは散ってしまう
私自身だって,いつかはそのように散る事だろう
人生の困難を乗り越えながら
酔いもせずにそんなことを思っていた

「浅き夢見し」を「浅き夢見じ」としたり,もう少し仏教寄りにしたり,解釈や捉え方はいろいろあるだろうし,よりその奥深さに触れられるので,是非お調べいただきたい。
わたしは上記のように捉えて,酔ってもないのにしんみり人生のこと考えてしまっている感覚に,自身に苦笑いし,その瞬間を愛でる空気感を心地よく思っている。今これを記しながら。